前回の投稿で宇宙の階層構造をご紹介させていただきました。
そこで宇宙空間での距離を表す単位としてkm、天文単位、光年を用いましたが、今回は改めてパーセクを加えて整理してみたいと思います。
天文単位(AU)
天文単位とは太陽系内の距離を表すのによく用いられる単位です。
太陽と地球との間の平均的な距離である約1.5億kmを1天文距離(=1AU)と表します。
この単位で表すと、
太陽と木星との距離=5AU
太陽と海王星との距離=30AU
また、陽の重力の及ぶ範囲(太陽の重力と他の恒星や銀河系の重力と同程度になる範囲)=10万AU
となるそうです。
光年
太陽系外の天体までの距離を表すには光年やパーセクが用いられることが多いです。
まず、1光年とは光が真空中で1年間に進める距離のことで、
1光年 = 約9.5兆km = 6.3万AU となります。
太陽系外にある最も近い恒星として知られているプロキシマ・ケンタウリまでの距離は、4.2光年 = 40.3兆km = 26.5万AU ということになります。
パーセク(pc)
パーセク(pc)という単位は映画『スターウォーズ』シリーズでもしばしば使われている単位ですが、これは年周視差が1秒角 = 3,600分の1°となる天体までの距離を表します。
年周視差とは、とある天体を地球の公転軌道上の最も離れた2点からみたときに位置がずれて見えることであり、位置のずれ方が1秒角の時にその天体までの距離を1pcと呼びます。
1pc = 3.3光年 = 30.9兆km = 20.7万AU となります。
プロキシマ・ケンタウリの年周視差は約0.77秒角であるので、1 ÷ 0.77 = 1.3pc = 4.2光年 ということになります。
しかし、最もご近所の恒星まで光速で4.2光年もかかることを考えると、天の川銀河の直径10万光年がとてつもない大きさであると思いませんか?
また、天の川銀河から最もご近所の銀河系であるアンドロメダ銀河が250万光年も離れていることを考えると改めて宇宙の大きさを感じますし、それよりもさらに遠くの天体も観測ができていることを奇跡的に感じます。