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私たちがものごとを理解するための2つのアプローチ

自然科学を学ぶ上で、私たちがものごとを理解するためのアプローチ(方法)が2種類あると言われています。
自然科学を学ぶ以外の場面でも役に立つ考え方と思いますので、本日はこちらについてご紹介したいと思います。

機能的なアプローチ

1つ目のアプローチは、ものごとの働き、性質、他者との関係性などに注目するものであり、機能的アプローチと呼ばれます。
例えば、フンコロガシを理解しようとする場合、フンコロガシがどこに住んで何を食べ、生態系の中で周りの他の生物とどのような関係を持っているか、を理解する、といったアプローチとなります。
エントロピーに関してもこちらであり、なぜエネルギーの質は低下する方向にしか起きないという法則はその理由を追求することが無駄であり、そういう性質を持っているということを理解するしかないと言えます。

実体的なアプローチ

もう1つのアプローチは、ものごとをどんどん小さな要素に分解して理解しようとするものであり、実体的アプローチと呼ばれます。
例えば、フンコロガシを理解しようとする場合、体の構造や器官を調べたり、顕微鏡で細胞レベルまで観察する、といったアプローチとなります。
さらに細かく、ものを分子や原子、原子核(陽子・中性子)や電子、素粒子などに分類し理解しようとする研究は実体的アプローチをしていることに他なりません。

2つのアプローチのどちらをとっているかを意識する

私は現在、素材メーカーに勤務し、自社素材の用途開発に文系社員(営業)として携わっています。
同じ文系社員(営業)同士や、理系社員(技術)を交えてさまざまな新規案件に関してのディスカッションを行う中で、話があちこちに分散してしまうことがあります。
そんな時に、いま機能的アプローチでものごとを検討しているのか、それとも実体的なアプローチでものごとを検討しているのか、意識できることは有効だと思います。
なぜなら、機能的なアプローチをとっている際になぜそれが起こるかといった本質的な理由の理解を試みることは遠回りですし、実体的なアプローチをとっている際に他者との関係性はひとまず置いておくのが近道だと思うからです。

気付かぬうちに2つのアプローチがごっちゃになった議論になっていることはよくあることであり、これに気付いて避けることが懸命だと考えます。

ABOUT ME
ichiro.k
53歳。大手素材メーカーで複数の営業部門、複数のスタッフ部門を渡り歩き、50歳を過ぎて新規用途探索・製品開発に関わる。文系の学部卒で後にMBAを取得した超文系人間だが、周りが理系だらけの職場で長年勤務することで技術の「知ったかぶり」が得意技に。本ブログでも何となくわかったかのような技術ネタを、さわりだけご紹介し読者の方々の「知ったかぶり」度向上に貢献します。