あけましておめでとうございます。
皆さんの中に初日の出を見に行かれた方も多くいらっしゃるのではないでしょうか。
さて、新年早々ですが、1日の長さは何時間何分でしょうか?
「そんなの当たり前。小学生でもわかる。24時間でしょ。」というお声が聞こえてきそうですが、今回は、天文学的には「1日」に異なる2つの定義があり、それぞれの定義で1日の時間が異なることをご紹介します。
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恒星日(こうせいにち、こうせいじつ、こうせいび)
多くの人々にとって1日の生活リズムは朝に日が上り夕方に日が沈むことを基準に組み立てられていると思います。
例えば、朝起きて顔を洗って学校や職場へ行き、夕方から夜にかけて帰宅し夕食を食べたり入浴したりして就寝します。
中には夜中に起きてお仕事をしておられる方もいらっしゃると思いますが、いずれにせよ地球が自転し1日に1回転することを基準とした時間を使って生活されておられると思います。
しかし、地球が1日に1回、360°回転(自転)するのにかかる時間が24時間かというと、実はそうではないのです。
地球が360°回転(自転)するのにかかる時間は約23時間56分と、24時間ちょうどよりも4分ほど短いのです。
これを恒星日と呼びます。
太陽系から遠く離れた恒星から地球を観察した場合に、地球はちょうど1恒星日で1回転=360°回転(自転)するように見えます。
太陽日(たいようじつ)
地球は自転するだけでなく、一年をかけて太陽のまわりを公転しています。
一日前と今日とでは、地球は公転軌道上の別の場所に移動しています。
太陽から地球を見た場合、地球が1回転=360°回転(自転)する間に、地球は約1°だけ公転軌道上を移動(公転)することになります。
よって、地球上のある地点が太陽を真南に見てからもう一度真南を見るように戻ってくるためには、360°回転(自転)してから、さらに1°回転(自転)することが必要であり、この追加の1°回転(自転)にかかる時間が約4分ということになります。
この、地球上のある地点が太陽を真南に見てからもう一度真南を見るように戻ってくるためにかかる時間=360°+1°の回転(自転)にかかる時間が24時間であり、これを太陽日と呼びます。
もし恒星日を採用すると地球の回転(自転)は360°ぴったり1回転で何となく気持ちが良いですが、太陽が同じ場所に見える時間が毎日4分ずつずれていきます。
それよりは、正午に必ず太陽が真南に来る太陽日の方が生活しやすいですよね。
私たちに馴染みのある24時間とは、太陽の位置に基づく1日であり太陽日というわけです。