これまで本ブログでは様々な「光」についてご紹介してきました。
人間の目で捉えることのできる可視光や、可視光領域よりも波長の長い赤外線やマイクロ波、可視光領域よりも波長の長い紫外線などがそれにあたります。
今回は、光の持つ二面性、つまり光の波としての性質と粒子としての性質についてもう少し論じてみたいと思います。
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光の波としての性質
光の波としての性質はかなり古くから認識されていました。
19世紀の段階でマクスウェルが光の波としての性質に着目して電磁気学を確立しています。
光には山と谷のある波があり、波長の大きさの違いが可視光領域では色の違いとして認識されてきました。
また、光が細いスリットを通過する際に回り込む(回折する)現象や、光同士が干渉して強め合ったり打ち消しあったりすることも、光の波としての性質を表すものと言えます。
光の波の媒質は電磁場
さてここで、光の波としての性質に着目した際に、少し考えるべきポイントがあります。
波というのは物質そのものではなく、物質の動きの変化を表しているに過ぎないからです。
例えば、海の波は波自体が特定の物質というわけではなく、海水の形の変化が伝わる様子を波と呼んでいるわけです。
形が変化する元の物質を媒質と呼ぶそうですが、海の波の場合は海水となります。
では、光の波の媒質は何でしょうか?
昔の科学者は光の媒質として「エーテル」という宇宙に満ちている微細な物質を想定したのだそうですが、今日では光の媒質は電磁場であると結論づけられています。
光の粒子としての性質
光が粒子であるとの主張も相当古くからあり、18世紀にはニュートンがすでに論を展開していました。
今日では量子力学が光を粒子=光子と捉え研究対象としています。
光の粒子としての性質は、物質中の電子に光が当たることによって生じる光散乱現象や、光が物質に衝突して原子から電子を放出させることよって生じる光電効果などが知られています。
例えば、昼間の空が青いのは太陽光が大気にぶつかって散乱しているのであり、太陽電池パネルは太陽光がパネルに衝突することで放出される電子によって電気エネルギーを得ることができる(光電効果)のです。
このように、光には波としての側面と粒子としての側面との二面性・二重性があり、どちらに着目するかで学問体系が異なって来るところが面白いところです。